とある女性航海士の日常

新米の女性航海士です。高専や船のことなど書きます。コメントは悪意のないものは100%返信しますが乗船のため非常に遅いです笑(半年後くらいかも)

【現役高専生が語る!高専に入るために】~面接のコツまで伝授します~

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中学生の方は、多くが高校受験をして、高校に行く道に進むのではないでしょうか。
 
その際に、あまり知られていませんが、高専という選択肢があります。ここではその高専を受験するときに読んでほしいことを現役高専生が書いています。高校受験では不安やストレスも多いと思いますので、少しでも力になれれば嬉しいです。

 


とはいえ、私は選考をする側でも高専の権力者でも何でもなく、ただの高専です。この記事を読めば必ず高専に行ける!というわけではありません。そんな方法はありません(笑)
それから、記事に書かれていることはどうしても私の世代、私の学校についてのものになっています。一応、各高専高専機構というところが全国規模で司っているので大きく違うということはないでしょうが、仕組みとか全ての高専が全く同じというわけではありません。入試についてなど、詳しくは各高専にお問い合わせくださいね。

あくまで、高専で5年間過ごした私の立場から、アドバイスできることがあればと思って書いています。必要な部分があれば参考にしてみてくださいね。

それでは、お読みください。
 

高専とは?


まず、高専がどんなところなのかについてです。これについては以下の記事で書きましたので読んでみてください↓↓

【現役高専生が語る!高専の特徴】高専ってどんなところ? - とある女性航海士(卵)の日常

 

その他、中学生の方向けの記事がこちらになりますので併せてどうぞ!

【中学生の方必見!受験前に知らないともったいない!?】高専に来た方がいい理由 - とある女性航海士(卵)の日常

【現役高専生が語る!】知らないともったいない?高専のメリット・デメリット - とある女性航海士(卵)の日常


簡単に言うと、高校に入る年から5年間かけて自
分の学科の専門的なことを中心に勉強し、卒業後は就職でも大学編入でも容易にできる、という学校です。学科には、機械系や建築系、電気、電子など理系と呼ばれる工業系のものが多いです。
そういう学科は特に女子だとなかなか興味を持ちづらいと思いますが、大丈夫です。今では女子もたくさんいますし、国際ビジネス学科というほぼ女子校みたいな学科もあるんです。
私の所属しているのは船乗りを養成する商船学科です。
 
私個人的には、高専は自分が通っているからということもありますが、とてもおすすめです!実際に通っている学生の立場から言っても高専に行くメリットがすごく多いので、第一志望でなくても視野にだけでもいれてもらえたらいいと思います。高専を受ける受けないは別として、自分の興味のある学科を探してみるのも面白いと思います。
 
高専は国立で、専門の勉強を集中的に学ぶので、設備も充実しています。例えば、最近の例で言うと、登校せずに双方向型のオンライン授業をしています。私の高専では、4月のかなり早い段階からオンライン授業をしていました。
双方向型というのは、リアルタイムで授業をしてくれ、当てられたり、質問したりもできるんです。だから、ただプリントをやるだけではないし、録画を聞くだけでもありません。高校生の年齢でも、そんなオンライン授業がすぐにできる、高専にはそういうシステムもあるのです!

それから、これまで重ねられてきた勉強をなぞるだけでなく、自分で新しいものを作ることができるのです。高専生には、例えば、誰もが知っている有名アプリなど、自分で新しいものを作っている人たちが大勢います。それは、高専という環境のためということもありますが、それまでのやり方のままでなく、新しいものをどんどん生み出せるのが高専生なのです。

とはいえ、この記事を読んでおられる方は、ある程度高専に興味を持ってくれている人たちだと思うので、もうここに書いたようなことはご存知かもしれませんね!
 
 

高専を受験する前に


まず、当たり前ですが、高専に興味がある!という方はぜひ一度オープンキャンパスに行ってみることをおすすめします。自分の興味のある学校は見に行くべきですからね。
また、高専に興味がない方でも、さっき書いたような理由から高専の良さを知ってほしいです。場合によっては公立、私立に加えて併願もできるので一度は中学生のうちに見学に来てみてください!

オープンキャンパスは、うちの高専は夏と秋があります。
予め申し込んで、自分の興味のある学科を体験します。私の商船学科だと学校の練習船の乗船体験やレーダーシュミレーターといって屋内でできる操船体験とかですね。電子系の学科だったらロボットの体験をしたりできるので、時間があれば日替わりで様々な学科のオープンキャンパスに行っても面白いかもしれませんね。

高専は、高校と違って身近にない人も多いと思います。だから高専にはがあるんですよね。
 
実はほとんどの県に一つは高専があるのでどちらにお住まいでもちょっと足を伸ばせば行くことができるんです。
とはいえ、一つの高専にある学科って限られてますよね?自分の県に高専はあっても興味のある学科がないってこともあると思います。まさに私もそのパターンでした!商船学科は全国に五校しかないし、国際ビジネス学科に至っては一箇所にしかありません。
 
でも、5年間通うんですから、寮に入って家から離れることになっても興味のある学科に入った方がいいと私は思います。やめずに学校に行き続けられるのが一番ですからね。私は中学生のとき、県外まで商船学科の高専を見学しにオープンキャンパスへ行きました。やはり学校の雰囲気とか設備を自分で見て、合うところに行けたほうがいいと思います。
 
中学生だけでオープンキャンパスに来ている子たちもいるので、お友達と来てもいいと思います。保護者の方も、高専に行くのは人生に大きく関わる決断だと思うので、可能な限りサポートしてあげてください。

もちろん、遠すぎて県外の希望する高専にまで行けない人もいると思うので、それはそれぞれのご家庭とかの事情があっていいと思います。
例えば、私の商船学科には、横浜と神戸で進学ガイダンスという説明会があるのでその近くで興味のある方は調べてみてくださいね!

続いて、入試についてですね。私の学校には推薦入試筆記試験があり、選べます。最近では帰国子女試験なんていうのも開発されたとかされてないとか?とりあえず、どうしても行きたいのだったら推薦で面接を受けてチャンスを増やすことをおすすめします。
受験方法については、各高専にお問い合わせくださいね。
 
では、それぞれの試験について詳しく書いていきますね。
 
 

推薦選抜


私の高専には、推薦入試といって面接での受験方法があります。
 
筆記試験が公立受験より早い、2月にあるのですが推薦入試はそれよりもさらに一ヶ月程度早い、1月にあります。早く、そして受験勉強をほとんどせずに受験を終わらせることができます(厳密にいうと私は中学の課題があったので受験生の人と同じように勉強していましたが。とはいえ、1月に高校受験が終わっていれば気持ち的にも時間的にも楽ですよね!)

一方で、合格したら必ず入学しなくてはなりません。だから推薦入試を受ける人は併願ができません。
ただ、もし不合格になっても筆記試験を受けることもできるのでダブルチャンスなんです。だから、どうしてもその学科に行きたい!っていう人は受けた方がいいです。
 
ちなみに、私が商船学科を受けたときの体験談がこちらにあるので、大した内容じゃないですけど参考までにどうぞ!
 
あと、推薦入試には中学校の五段階評価による受験制限があるので、今からでも遅くないという人は、普段のお勉強の方も頑張っておいてください!

推薦入試は受験する高専で行われます。だから現地まで行かなくてはならないですね。これは普通かもしれませんが、私の高専では県内のいくつか都市で筆記試験ができるので、筆記試験だけは自分に近い場所で受けられるんです。
 
初めて会う大人と面接をするということで、緊張する人もいると思います。というか、それが普通です。しかし、私の中学もそうでしたが、大抵の中学では先生たちが面接の練習をしてくれるはずなので大丈夫です。学校に進路担当の先生がおられると思うので、相談してみましょう。

それから、面接で言う内容や、態度についてですね。これも、中学の先生から教えてもらえるかもしれませんが、ここでも私の視点から書いておきますね。
 
 

内容


まず、話す内容。私のときは、面接の冊子というのを配られて、そこに聞かれそうなことが載っており、自分の答えを書き込んでいくような形式でした。みんなが面接を受けるかどうかはその県により異なると思いますが、そういう冊子があれば活用するといいと思います。
とはいえ、私なんて、冗談で「この学校を選んだ理由は?」「消去法です」とか「短所は何ですか?」「ありすぎてここには書けません」とか、その冊子にふざけたことを書きまくってましたけど!よい子のみなさんは真似しないでくださいね(笑)

そういう冊子がない方もいると思うので、ここに代表的な3問を書いておきますね。

 
  1. この学校を選んだ理由は?
  2. 学生時代に一番頑張ったことは?
  3. この学校で頑張りたいことは?

この3つの質問は、必ず聞かれるといっても過言ではないでしょう。自分なりに理由を考えて答えられるようにしておきましょうね。
ここらへんは私が学校の教官から言われたことを書いているので、就活やほかの面接においても活用できると思います。

一つずつ説明していきますね。

まず、「なぜこの学校を選んだのか」という志望動機です。
これは、もう100パーセント聞かれると思っていてください。
 
特に、高専なんて特殊な学科ですから、何のために入学しようとするのかを教官は知りたがります。単に「偏差値です」とかだけではだめなのです。高専の特徴をどの程度とらえているか、魅力に感じているかということですね。
 
よく知らないという人は、上にも載せたんですが、この記事を参考にしてください。
まあ、高専を志望する方は高専について知らないということはないとおもいますが…。
例えば、オープンキャンパスで、この高専ロボコンで上位に行けると聞いて〜」とか高専は5年間という長い時間をかけて、興味のある建設関係の専門的な勉強ができて技術を身に着けて就職できて〜」とか、「その学校・学科でなければいけない理由」を言えればいいと思います。まあ、一例なんでこれにならう必要は全然なく、自分の言葉で伝えてくださいね。
 
私のクラスメートは実家の近くにも商船学科があったのですが私の高専の商船学科を選び、その理由を聞かれて「遠いけど、この高専のこの学科にしかないもの」を答えていました。そういうことなんですよ!「これはこの学科でしかできないからどうしても来たいんだ!」というものを伝えてください。その、「これ」というのは学科によって違いますし、皆さんが自由に入れてください。

次に、一番頑張った経験ですね。
まあ、部活が一番一般的でしょうか。部活でこんな大会まで行ったとかでもいいと思うし、結果はよくなかったけどこれだけ頑張ったんだとかでもいいと思います。要するに、「自分はここだけは誰にも負けない」という部分をアピールしてほしいのです。
 
それは努力できるところかもしれないし、諦めないところ、あるいは提出物の期限を必ず守ることかもしれません。人それぞれですよね。
自分にはそんなものないなんて言ってはいけません。見つけるんです!
 
ここでは、「頑張ったこと」だけを聞かれるのではなく「自分を客観的に見られるか」ということも見られているのです。面接官は皆さんの面接だけを見ているので、普段は気弱でも面接の時だけは堂々と自信を持ってください。
 
例えば、受験とは少し異なるかもしれませんが、就活の場合だと「自分を売り込む」んです!僕、私を採ったらこんないいことがありますよー、とPRするんです。
 
面接をする大人たちは、皆さんのことをよく知りません。でも興味津々です。
だから、自分はこんな人、と相手に教えてあげましょう。実はこんなすごい人なんだこの子は、と思わせてやりましょう。
実際に「一番」ではなくても、面接官はそれを言える心意気を評価してくれるので、盛る必要はありませんが頑張ってPRしてください。
中学でこれを頑張ったから高専に入っても同じ部活に入りたい、と話を広げてもいいかもしれませんね。

もちろん、部活以外でも頑張ったことや人に負けないことがあればそれを言うといいと思います。

最後に、高専で頑張りたいことについてです。要するに、入学して終わりではなく、5年間という期間をどう使うのかということです。
 
再び一例なんですが、機械系の学科だとロボコンに挑戦してみるとか、少し早いかもしれませんが「この学科に入って〇〇系の会社に行きこんな仕事をしたい」などの将来の目標でもいいかもしれませんね。

これは、どの質問でもそうなんですが、なるべく具体的に伝えましょう。
例えば、

高専に入ったら勉強と部活を両立できるように頑張ります。新しいことにも挑戦したいです」
「商船学科の乗船実習の授業が楽しみです。中学と同じ陸上部に入って高専大会で入賞を目指します」

この2つなら、どっちが相手に伝わりやすいかは明らかですよね!
どれだけはっきりと将来のビジョンを描いているかというのは大事です。別に、その通りにならなくてもそれはそれでいいので、今描いている予定や目標を話してみましょう。
なんとなくじゃなく、こういうつもりで入学したいんだな、頑張ってくれそうだなと相手に伝わりますよ?
 
特に、面接の教官の担当している部活や科目のことを詳しく話せたら教官が喜ぶかもしれません。まあそれはわからないので運次第なのですが(笑)
とにかく、入学後もやってくれるなと相手に印象づけることが大事です。

そのほかにも、以下のような質問が一般的なのでどう答えるかおおまかに準備しておきましょうね。
 
  • あなたの趣味
  • 特技
  • 長所・短所
  • 好きな科目
  • 好きな本
  • 自己PR
…など。

そのほか、変化球(?)として、最近気になったニュースを聞かれることもあるので新聞などで大きなニュースもチェックしておいた方がいいですね。もちろん就活でもそうです。

一問一答ではなく、答えプラス補足で何か付け加えられるといいですね。例えば、好きな科目。「英語です」だけでなく、「もともと苦手だったのですが、単語帳を自分で作り、英検三級に合格できました」など!

あとは、冒頭で今日食べた朝ごはんや面接への交通手段など関係ない質問をされることがありますが、これは面接官が皆さんをリラックスさせるためにしている質問なのでそう堅くならずに自分の言葉で答えて大丈夫です。
 
 
文章構成

質問に答えるときは、長すぎても短すぎてもいけません。ですから、質問の答えに何か補足としてプラスアルファするくらいがちょうどいいでしょう。

あとは、何か聞かれたら、まず答えから言うようにします。
例えば、長所。「私は昔から〇〇を習っていて〜」「何年間続けていて〜」からではなく、「私の長所は〇〇です。何年前から習い事としてやっていて、〇〇の資格も取得しました」のようにまずは結論から言いましょう。何を言いたいのか相手にすぐ伝わります。
 
全部で3文くらいが適当でしょう。「答え(結論)→詳細→まとめ」の順がいいと思います。以下の文章を参考にしてください。

「特技は、走ることです。中学では陸上部に所属しており、2年生のときには200メートル走で地区大会に入賞しました。高専に入ったら、より強くなれるように練習に励みます」

まあ、これは一番簡単な例ですね。ここに「一日何時間練習をしました」など、より具体的なことを入れてもいいです。自分が一番伝えたいことを優先的に盛り込むようにしましょう。

最後のまとめの文ですが、例のようにこれからの目標でもいいですし、そういう質問でなければ「こういうことが学べて素晴らしい経験でした」などでもいいですね。
 

会話をする

いろいろ気をつけることが多くなってきて大変かもしれませんが、「丸暗記した感じにならない」ことを気をつけてください。もちろん、ある程度答える準備をしておくことは必要です。しかし、それを思い出しながらただ棒読みするだけでは面接の意味がありません

例えば、皆さんが小さい子どもと会話するときのことを想像してみてください。おうちの人に「ほら、ありがとうでしょ!」と言われて「ありがとう」とか「バイバイ」とか言われるよりも、自分から言ってもらった方が心から言ってくれてる感じがして嬉しいですよね。また、「この子、小さいのに挨拶ができてしっかりしてるなあ」と思いますよね。
実は、面接をしている大人たちにとって、皆さんがこの「小さい子ども」に当たるんです。
 
申し訳ないですが、面接官は初めから皆さんに「自分たちにとってパーフェクトな答え」なんて求めていません。面接をしているようなベテランの教官と中学生では経験や考え方が違いすぎるです。では何のために面接でいろんなことを話すのか。
 
面接官が見ているのは皆さんの「伸びしろ」です。
つまり、内容もですが、「自分の言葉でしっかり話せるかどうか」です。
話をしてコミュニケーションを取れる人は入学してからもいろんな分野で頑張ってくれるだろうと期待できるからです。
また、ただの暗記でなく、心を込めて言うことで本気度が伝わります。
 
といってもそんなに難しいことではありません。聞かれたことに受け答えができる、それだけです。だから、丸暗記したものをただ流すだけでなく、自分の言葉で答えてほしいのです。
ラフな言い方をすれば、「会話する」ということです。しかし、このことが地味に大事なのです。
会話をやりとりできる能力、つまりコミュニケーション能力が見られているのです。聞かれたことに対して長すぎず短すぎず答えを出せるか、そういう最低限のコミュニケーションが大切なのです。
 
だから、聞かれた質問について自分の言葉で素直に答えましょう。会話を通じてあなた自身の魅力をアピールしてほしいのです。
 
とはいえ、決してカッコをつける必要はありません。嘘をついたり盛ろうとしたりするとイメージが良くないので、質問に対しては正直に答えましょう。面接官はそのままのあなたを見ていますし、そこで勝負してください。答えがわからなければ無理にこじつけようとせず、わからないでいいと思います。
ただ、「入りたい部活はまだ決めていませんが、陸上部かバスケ部で迷っています」のように、わからないなりにも一言添えるといいでしょう。
 
 
質問

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最後になりますが、質問があるかどうか聞かれることもあると思います。これは、ぜひ質問してみてください
 
なぜかというと、もし面接中にあなたの印象がよくなかったとしても、質問の内容によって挽回できる可能性があるからなのです。ですから聞きたいことがあれば、ぜひ質問してみてください。「なかなかすごいな、この子!」と思わせられればもうけもんですよね。
 
とはいっても、何を質問したらいいか困りますよね。ここで皆さんがよく思いつくのは、「この試験の結果はいつわかりますか?」とか高専の良さは何ですか?」とかだと思います。それもまあ、悪くはないんですけど質問によって一発逆転!とするにはちょっと弱いかと思います。
 
そこで、面接で高評価を得るためにどういう質問をするべきかというのを紹介していきます。質問をするときに注意するポイントをいくつか挙げていきますね。
 
  1. 前列がないこと
  2. 調べてもわからないこと
  3. 時代に即していること
  4. 広い視野をもつものであること
  5. 社会で公益性があること
  6. 自分と関連のあること
  7. 興味を持っている(感じを出す)こと
 
もちろん、これを全て満たすなんてことは難しいので、この中のいくつかに当てはまるような質問を考えることが大切です。この箇条書きだけではわからないと思うので、一つずつ説明していきますね。

まず、①の前例のない質問。例えば、「最近は環境問題に焦点が当てられており、法律も船舶燃料の硫化物の排出規定を変更しましたが、御社ではそれにどのように対応していく予定ですか?」という質問。(自分が商船学科なものでガッツリ船系の質問なんですが、すみません笑)

これは就活の面接の質問なので入試とは異なりますが、ここで注目してほしいのは冒頭の「最近は」という部分です。最近ということは、つまり「以前とは違ってきている」ということです。例は実際に私が就活している年に船の燃料の残りの排出基準が変わって、新しくなったときの質問なんです。
 
こういう、それまでの状態から変化しているときというのは逆にチャンスです。前例のない質問がしやすいからです。だから、受ける高専で今までと変わったことがあれば、その新しいことについて聞くといいでしょう。
どんなことがあるかはホームページなどで確認してくださいね。それまでにない新しい質問ができるとともに、「この子ちゃんと時事的なことも調べてるな」「うちの学校のホームページを見ているな」と思わせることができます。
 
この①についての内容は②にも通じます。もし前例のあること、例えば「どんな部活動がありますか?」という質問だと、高専のホームページで調べればわかるのに」と思われます。もちろん答えてはくれるでしょうが、これでは質問によって一発逆転というのは見込めませんね。あくまで、自分で調べた上で、さらにわからないところを聞くことが大事なのです。
 
③も一緒ですね。時事的なニュースについて(もちろん自分の学科に関係することですが)質問するとニュースをちゃんとチェックしていると伝わります。

④、⑤からは少し違ってきますね。例えば、「この試験の結果はいつわかりますか?」という質問です。
これは、試験が終わるまでという大変狭い範囲での質問です。これでは面接官は「おお〜」とはなりません。
 
学校のことを質問をするにしても、もう少し将来を見据えたものの方がいいですね。あるいは、自分のことだけでなく、世間やニュースのことなどもっと周りのことも盛り込むと、広い視野を持つ質問ができるかもしれません。
とはいえ、中学生ではそこまでニュースなどに切り込むのは難しいと思うので、就職や学校生活など、将来を意識していることが伝わる普通の質問であればいいと思います。

社会において公益性がある、これは少し難しいですね。
基準としては、答えを学校に帰ってから友達に話したいかどうか、という判断でいいと思います。就活でいうと、本当に社会人となったときに役に立つ質問が求められますが、中学生であれば自分の身の回りの人の役に立つような内容でいいと思います。先程の質問は、答えを友達に言ってもあまり意味はありませんね。高専の試験結果がいつわかるかなんて受けてない友達には全く関係ないからです。
 
しかし、「入学前にやっておくべきことは何ですか?」「効率よく勉強したいのですが、どういう方法がいいでしょうか?」という質問はどうでしょう。広い視野とは言えませんが、聞いたことを友達や後輩に教えられますよね。そうやって答えを後で共有して役立てられる質問がいいと思います。

簡単に書くと、
④今だけじゃなく将来や周りを見ている質問
⑤ほかの人も答えを役立てられるような質問
というような捉え方でいいと思います。

続いて、⑥の自分に関係する質問。これは、その質問がどれくらい自分に影響するのか、自分はどう思ってこの質問をしたのかという、質問と自分の関係性を伝えた方がいいということです。例えば、

「ホームページで高専練習船が現在修理中と見たのですが、この後の乗船実習はどうなるのでしょうか?」
「僕は、オープンキャンパス練習船に乗らせていただき、入学後の実習も楽しみでした。しかし、ホームページで見ると今修理中ということで、この後の実習はどうなるのでしょうか?」

という質問があるとします(すみませんね、また商船系で笑)。
上でもまあ悪くはないんですけど、下の質問だとどうでしょう。自分の経験及び、楽しみにしているという意見を言ってますよね。「自分は当事者なんだ」ということが伝わってきませんか?
このように、「なぜその質問をしたいのか」ということを明確にしてください。「自分がこうだから」と言うことで、質問が唐突じゃなくなるし、面接官にも共感してもらえます。

では、ここまでのポイントを合わせた質問を考えてみましょう。

「僕は、高専のゼミで二年間、海洋環境の研究をしてきました。そこで質問したいのですが、最近燃料の排出規定が変更になった際に、御社はどのような対応をされていますか?」

これは、最初にも書いた、就活の質問ですね。こういう質問であれば、必要なことが多く盛り込まれていて、面接官にいい印象を与えられるでしょう。もちろん、このままでなく、質問を自分に合うように変えることが必要ですし、就活でなく入試ならまた内容も変わってくると思います。個人的には、中学生であれば、ここまで難しい質問を無理してしなくてもいいだろうとは思います。

そして、質問するときの前提として、高専を志望する理由を覆すような質問は絶対にしてはいけません
しないと思いますが、「この学科に行くメリットは何ですか?」なんていう質問、「だったら何でうちを受験したの」ってなりますよね(笑)
あくまで、自分で調べた上でわからないことを聞きましょう。

最後に、⑦についてです。これまでに書いたような条件がいくつかありますが、やはり一番は自分の聞きたいことを聞くことです。自分の聞きたくないことを無理やり絞り出して質問したら相手にもわかりますし、棒読みにもなりますよね。これは、⑥の自分に関係のある内容ということにもつながりますが、興味のあることを質問してください。
これは、もしかしたら一番大事かもしれませんね(笑)
 
もし、どうしても、興味はないけどいい質問があるのでしたい、ということがあれば、ぜひ気持ちを込めて質問してみてください。

もちろん、質問があるか聞かれないこともあると思いますので、その時には「あの〜、質問したいんですけど…」なんて無理して質問しなくて大丈夫です(笑)
 
 

態度


続いて、面接に臨むときの態度ですね。
 
まず大前提として、ハキハキとして明るい印象の方が好まれます。面接をする大人たちというのは、中学生の皆さんにフレッシュさというものを求めているからです。若者らしい爽やかさはいい印象を与えます。
就活などで、ある程度年が上がると落ち着いた雰囲気でもよくなってきますが、中学生の面接ではまず若さと明るさが大事ですね。ですから、うじうじせずにハキハキと答えましょう。
 
また、声も張る練習をしてください。これは真面目な話で、皆さんが思っているより大きな声を出さなくてはいけません。面接は大抵、教室くらいの大きさの部屋で行われるのですが、教室全体に聞こえるように発表するときってけっこう大きな声が必要ですよね?
面接官は複数人であることが多いので、普通に話すだけの声では不十分です。また、大きい声の方が、先程書いたような明るい印象を与えます。普段より声を出すことを心がけましょう。予め一定以上の声を出す練習をしておいてくださいね。おうちの方などに聞いてもらって、家の中で大きすぎると感じるくらいがいいでしょう。

それから、話すときはキョロキョロせずに相手の目を見るようにします。ずっと目を合わせ続けるのが困難であれば、鼻や額など顔全体を見るようにしてもいいでしょう。これは、私が高専の教官から実際に言われたことなので重要だと思います。そうでなくても、話すときにはちゃんと目を合わせてほしいですもんね。相手が複数いるときは、ゆっくりと交互に見てあげてください。

では、面接の流れを簡単に説明していきます。
 
まず、試験の前に待合室のような教室に通されると思います。ほかにも大勢の受験者が待っているところですね。このときからもう受験は始まっていると思って、私語や悪い態度は控え、姿勢よく待ちましょう。
 
こういう場合には周りの受験者がみんな、何だかすごそうに見えるものです。しかし、それはみんな一緒です。緊張するのは当たり前だし、ある程度の緊張は必要だと思いますが、人は人、自分は自分なりに準備しておけばいいのであって、自分にできることを精一杯やればいいのです。自分の長所、中学でしてきたことをアピールするつもりで堂々としていましょう。

名前を呼ばれたら大きな声で返事をしましょう。中学よりも一歩大人の学校になりますから、礼儀は大事ですね。

面接の部屋には3回以上ノックをして入ります。2回のノックは海外ではトイレに入るときのノックと言われていて、細かいことかもしれませんが3回以上叩いた方がいいでしょう。
返事があったら「失礼します」と言って入室します。椅子が置いてあるのでその横に立ちます。かけていいと言われるまでは腰掛けてはいけません。「受験番号、学校名、氏名」などを言って挨拶します。

そして、「はきはきと」「大きな声で」「目を見て」答えることを気をつけてください。わからない質問が来ても、テンパらずに落ち着いて何かしら答えましょうね。
終わったら、お礼を言って退室します。

ですが、この流れについても学校からちゃんと指導してもらえると思います。学校では背筋の伸ばし方やお辞儀の角度など、進路担当の先生が実際に見てくれるはずです。面接の教本みたいなものにも必ず載っていますしね。何度か動きを自分でやってみましょう。

そして、上にも書きましたが、丸暗記や棒読みでなく会話をするということに気をつけてください。礼儀正しくする必要はありますが、極度に固くなる必要はなく、柔軟に答えることが必要な場面もあります。もちろん、答えをある程度決めておいた上で、用意していない質問が来ても自分なりに答えてください。
簡単なものだと、「今日朝何食べて来ましたか?」なんて、わざわざ答えを準備してませんよね。でも、準備していないから答えられないということはなく、正直に答えればいいだけのはずです。

答えを聞くだけでなく、その場で表情や態度を見られることが面接の醍醐味なので、一方的に話すだけではなく、相手に伝えるということを心がけてください。
 
 

服装


面接でもう一つ大事なこと、それは服装です。制服やスーツというのはもちろん大前提ですが、服装で気をつけるポイントが下の通りです。
 
  • シワがないか、汚れていないか
  • ネクタイが曲がっていないか
  • 髪の毛は目にかからないか
  • 爪は切ってあるか
  • 靴は黒(できれば革靴)
  • カバンは派手でないもの
女子
  • スカートは膝下
  • 長髪はまとめる
…これくらいですかね。あとは、ペットを飼っている人は、動物の毛はとっておきましょう。

少し説明しますが、まず、前髪が目にかかっていると、暗い印象を与えてしまいます。できれば、分けて、額も見えるようにしておくことが望ましいです。面接中に落ちてこないようにしましょう。

も、就活であれば特に見られることが多いので、油断は禁物です。受ける側はそんなに注意していなくても、全体を見たときに靴が汚れているだけでイメージが悪くなってしまいます。

当然の礼儀として、清潔にしていることや、身だしなみは気をつけなくてはなりません。一歩大人になるということはそういう相手を不快にさせない気遣いが問われますし、そこも含めての選考だからです。
まあ、人は見た目だけではないので見た目だけちゃんとしていればいいわけではありませんが、とはいえマナーとしてだらしない格好はだめですよね?相手から見られたときのことを考えて、失礼のないようにしましょう。

しかし、スカートの長さや持ち物の色などは清潔感に関係ないですよね?私としては、ぶっちゃけ、そんなことで人を見るのはよくないと思います。
 
しかし、これには理由があります。少し難しいことを書きますが、スカートの長さや持ち物の色が黒かどうかなんて選考には関係ないんです。むしろ、皆さんの個性という意味では、違いがあった方がいいくらいです。しかし、現在の日本の社会には、「人と同じであること」が重要視される傾向があります。それが、この、就活でも入試でも何でも、みんな同じ格好をしなければいけないという空気を作り出しています。周りと違うことをしていたり、浮いているとそれだけでダメだとされるのです。
日本の社会においては、持ち物は黒、スカートは膝下というのが「常識」であり、清潔であってもみんなと違うということは「非常識」なのです。全くナンセンスな話だと思いますが。
 
しかし、皆さんに覚えておいてほしいことは、周りと同じことをするなど重要じゃないということです。成功する人は、みんな自分の意志で行動しています。実際、私が就活をした会社にそういう新しい考え方のところがありました。
 
船会社の中ではトップで、最も成功している大会社ですよ?会社訪問に行ったら、「みんなそんなに同じ黒スーツばっかり着てこなくていいのに。そんなの見てないから好きな格好で来なよ。学校から着ろって言われてるの?」と言われました。もちろん、自由の範囲内でも常識というものがありますが、要するに、服の色とか周りに合わせることなんかにこだわらなくても、いや、だからこそでしょうか、トップレベルの会社になれるんです。
 
このコロナが収束してからも、オンライン業務など、新しいよいところを柔軟に継続している会社は、やはり大きい会社ですよね。もちろん資金力の違いという問題もありますが。そういう時代の先を行っている会社はやはり各個人が自分で考えて行動することを大事にしているのですね。
そういうきちんとした会社なら「周りに合わせずに自分だけ違う服装をするなんて空気が読めてないのかね?」なんてことはないんでしょうね。
 
はっきり言いますが、協調性がないのと服装も持ち物も周りに合わせなければいけないのとは違いますからね。
これからを担っていく皆さんは、そういう悪い習慣を当たり前だと思わずに、人と同じことをしているかかどうかでしか判断してもらえないところではなく、皆さん自身を評価してくれるところを選びましょうね。今の日本では服装をそろえる以外に本気度を表す指標がないのが事実ではありますが。
古い考え方を持たない若い人が大人になっていくことで、これからはだんだん自由な風潮が出てくるんじゃないかと個人的には期待しています。

と、まあ、ここまでは私の一人言ですので、聞き流しといてくださいね。皆さんはしっかり決まった服装をして、受験に臨んでください。

服装についても面接対策の本に服装の注意点が載っているので参考になると思います。私の時には、ダメな例も載っていたのですが、
 
女子
  • ルーズソックス
  • 膝上スカート
  • 染髪、縛っていない長髪
  • 華美な化粧
男子
  • 腰パン
  • 長髪、染髪
  • 制服の前が開いている
  • カラーシャツ
みたいな感じの反面教師例で、いや、流石にこんな格好で面接行く人いないだろと思いました(笑)
ルーズソックスって今でもいるんですかね…?いや、今でもっていうか、私が物心ついたときには既に写真の中だけの存在でしたが。
服装についてもちゃんと中学校から指導してもらってくださいね。
 
 

筆記試験

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実は私は筆記試験を受けたことがないのですが、少しだけ入試前に勉強したこともあったので、できる範囲内で書きます。

まず、全国の高専高専機構というところに所属しているので、筆記試験は全ての高専同じ内容が出題されます。あ、私立はこの限りではないので、私立の高専を受ける方は、個別に問い合わせた方がいいと思います。

ただ、これは5年前のことなので、それからこの内容がずっと変わっていないかはわかりません。その上でお読みください。個人的には、商船学科や文系の学科など、高専によって様々な学科があるので、みんな一律の試験を受けることには少し違和感があります。高専の大半は理系なので、それに合わせているのでしょうね。

試験は普通の高校入試と同じ、五科目です。ネットで過去3年分くらいの過去問を見ることができるので、ぜひやりましょう!高専機構のホームページからアクセスできます。

言っておきますが、高専の筆記試験はけっこう難しいです!(※個人の感想です。)
特に理科や数学が、見たこともない問題がよくあります。これも高専だからですね。とはいえ、普通に学校で習う問題もあるのでそこは落とさないようにしましょう。

大丈夫、あなたが難しいということはみんな難しいんです!過去問から、対策をしっかりしておきましょう。

それから、高専の筆記試験は2月、面接の約一ヶ月後ですが、これも県立よりはかなり早いです。だから、県によっては高専と県立高校を両方受けることができるかもしれません。通常の受験時期が違うというのも、早く結果が出て高専の魅力ですね。
 
 

入試当日の注意点


入試のための準備は前日から始まっています。前日は夜ふかしして勉強することなく、睡眠時間を確保してください。もちろん一夜漬けなどやめましょうね(笑)
 
前日に詰め込みすぎなくていいように、計画的に勉強しましょう。それから、持ち物の準備もしておきましょう。受験票や筆記用具、服装、翌日の時間など予めしっかり用意をしましょう。翌日起きられるよう、目覚し時計の用意もしておきましょうね。
 
夜は緊張してなかなか寝られないと思います。わかりますよ、落ち着かないですよね。ですが、なるべくリラックスして、ゆっくり眠れるようにしましょう。

朝は、朝ごはんをしっかり食べましょう。緊張してあまり喉を通らないのは私も経験がありますが、主食の炭水化物は必ず食べるようにし、朝ごはんを抜かないようにします。学校の保健の授業でも習うと思いますが、しっかりお腹に物を入れると頭が回転するようになります。

受験会場には遅くとも指定時間の15分前までには着くようにします。公共交通機関を使う場合は、遅れなども考慮して早めに家を出ましょうね。

面接のところでも書きましたが、試験では、周りがみんな頭よく見えるものです。しかし、みんなそう思ってるんです!人を見て気にする必要はなく、自分がやってきたことをやるだけです。

試験では、解ける問題から解きましょう。取れるところを取らないともったいないです。私の見たときは、県立の問題と違い、最初の方に難しい問題が来ていることもあったので、パッと見でできなそうだと思っても諦めずにできそうな問題を探しましょう。
 
あと、パニックにならないようにしましょう。先程も書いたように、私の見た高専の入試問題はおそらく県立よりも難しく、解けない問題もあると思います。だから、できない問題もあって当たり前です。必ず簡単な問題があるので、解ける問題を探してください。それから、記号問題はわからなくてもとりあえずできますね。あるいは、四択のうち二択に絞り込むということができると思います。慌てず、そうやってなるべく点数を延ばせるようにしてください。

筆記試験は、人と直接会話をする面接と違い、それまでにどれだけ勉強を蓄積してきたかが勝負です。新研究など、学校から支給される問題集に加え、高専の問題も計画を立ててやっておきましょうね。
 
 

高専を志望する前に


最後になりますが、高専への進学を選択する前に、皆さんにお伝えしたいことがあります。

まず、高専専門分野の特徴についてです。
 
高専は、この記事を読んでいる皆さんはある程度ご存知かと思いますが、自分の学科の専門分野を詳しく勉強します。
 
私たち商船学科であれば、実際に船に乗るのは普通のことですし、電子情報工学科はよく授業で自分のパソコンを使います。そして、勉強するのも決して予備知識ではなく、将来就職したときにそのまま役に立つレベルのものなのです
低学年の頃は美術や歴史など一般科目もありますが、高学年になると、例えば私の商船学科であれば毎日船の勉強しかしないくらいなのです。
 
これを、高専ではくさび形教育と呼んでいて、多方面からの評価も高いのですが、ここが普通の高校と大きく違うところです。
普通科であれば、少しゆっくり自分の将来について考えることができます。
しかし、高専では、5年もの間、自分の専門分野一筋で行かなければなりません。それを知っておいてください。途中でやめたいと思っても、できなくはないですが皆さんの人生においてかなり遠回りすることになります。
そういったミスマッチは、皆さんにとっても高専にとってもよくありません。
 
やはり高専というのは特殊な学校です。5年間在学するということを忘れないでください。後からやめるくらいであれば普通科高校という選択肢もあります。
 
そのため、最初に書いたとおり、遠くてもぜひオープンキャンパスに行くことをおすすめします。失礼ですが、公立高校に行くとき、皆さんが見るのはせいぜい偏差値か、あるいは部活動だと思います。しかし、高専ではその「学科」を見て選ぶはずです。学科について、文面だけで知るのには限界があります。だから、実際に学校に行ってみることが重要になってくるのです。
 
皆さんが行こうとしている高専は、普通とは違う学校なのです。興味もないのに高専というだけで入学しても、続けていくモチベーションを保てるとは思えません。その学科に自分は5年間通えるのか、よく考えてみてください。入学してから「こんなはずじゃなかった」と言われるのは私たちとしても悲しいです。

とはいえ、高専は休みが長かったり就職率が良かったりと、学生にとってメリットが多いのもまた事実です。入学したら教官方も皆さんをサポートしてくれるでしょう。

また、ぶっちゃけ、皆さんの先輩たちも、よく考えて高専に入って来ているのかというと、そんなことないというのが事実です(笑)
みんな、なんとなく楽しそうとか、したい部活があるから、家に近いからみたいな理由です。かくいう私も、入学するまでは船のことなんて全然知りませんでした。そんなもんです!
 
だって、商船学科の教官も「中学生のうちに自分の将来をはっきり決められるわけがない」と言っていますから。中学生の段階で100%自分と相性がいい学科に行くなど、現実には無理に近いのです。だから、みんなそんな感じなので大丈夫です!
 
年間続けられる程度に興味のある分野であれば、全然志望すればいいのです。気後れする必要はありません。もちろん、ある程度の覚悟は必要でしょうが、そんなに深く考えなくて大丈夫だと私は思います。

ここからは大人の話になりますが、実際に就職するときに、自分の好きな仕事ばかりできる人というのは少ないです。また残念ながら必ず就職できるとも限らないのです。
 
では高専ならどうでしょうか。自分の学科が本当に大好きという人もいるでしょうが、あるいはちょっと興味のあるだけという人でも、その分野のプロフェッショナルな知識を身に着けて仕事ができる。しかも、就職先に困ることはない
今どき、簡単に就職できる人、自分のやりたい仕事をできる人はそうはいません。しかも、誰にでもできる仕事ではなく、いわゆる技術職です。
つまり、長い目で見たときに、本当に通い続けられないとかでなければ、高専に入ることは大変得なのです!

なんだか、いろいろ書いてしまいましたが、何を言いたいのかと言うと、高専は学科が特殊だからそれをわかって受けてほしい。でも、興味はあるのにやっていけるか不安とかであればそんな心配はいらない」ということです。

次に、高専倍率についてです。
学校の数が少ないからか、みんな高専を魅力に感じてくれているのか、嬉しいことに高専倍率がとても高いです。普通に3、4倍のこともあり、一般の高校では考えられません。
しかし、倍率が高いということは、残念ながらそれだけ不合格になる人も多いということです。

でも、ビビる必要はありません。精一杯やってだめだったらそれは仕方のないことです。その、目標を持って頑張ったという経験が今後の役に立つのです。倍率が高い程、不合格になる人も多くなります。それを忘れず、「自分はダメなんだ」と思う必要は全くありません。例年、倍率は高いものですが、落ち着いて、今、自分にできる準備をしましょう。

また、例えば私の高専は、同じ学校の別の学科を第二希望、第三希望にしたりもできます。ほかにもそういうシステムにしている高専の話を聞いたことがあります。だから、諦めないでください。今回だめでも、例えば船乗りになりたいのであれば、普通高校を卒業してから海洋大学へ行く選択肢もあります。あるいは、学科によっては高専の4年に編入できるところもあります。
 
高専は確かに倍率が高く、受けた人全員が合格できるとは限りません。しかし、将来の夢があるのなら、それに向かう道はいくつもあるのだということを忘れないでください。
もちろん私としてはみんなに高専にきてもらえたら嬉しいと本当に思うのですけどね。
 
 
 
 
 
いかがでしたか?この記事が少しでも高専に行こうと考えている中学生の方たちのお役に立てれば嬉しいです。高専は自分のやりたい勉強ができ、可能性が無限にあります。ぜひ、皆さんで新しいものをクリエイトしてください!

皆さんが高専で自分の好きな勉強をして、素敵な将来を作って行ってくれるのを楽しみにしています。