【高専あるある②世間とのギャップ】私のクラスはSクラス?!
以前書いた、こちらの記事の続きです。
この記事では、現役高専生が、世間とはちょっとずれた、高専でのあるあるについて書いています。
世の中の高専生の方々はたびたびこの記事のような状況に遭遇するんじゃないでしょうか?
高専について知らない方にも、実はこういう場所なんだって知っていただけると嬉しいです。
クラス名はアルファベット
高専では、クラスが学科ごとで、5年間クラス替えがありません。
また、クラスも1組、2組とは呼ばれず、名前が学科名です。そこで、学科を簡単に表すためにクラス名をアルファベット一文字で書きます。
例えば、私の商船学科はS、隣の国際ビジネス学科はKという文字がクラス名です。
何の略なのかはわかりませんが、多分普通に日本語での頭文字でしょう(笑)
機械システム工学科はマシーンのMでした。
この文字が全ての高専で共通なのかはわかりませんが、普通に校内で被らないようにあてはめてるんだと思います。
この学科の文字はめちゃくちゃよく使います。テストとかプリントにでクラスを書くときは普通の高校であれば1組とか、A組とかって順番に書くと思うんですが、私たち商船学科生はクラス欄にいつもSと書きます。
こちらは、私が実際に受けたテストの写真です。小さいですが、クラスのところにSという文字のあるのが見えるでしょうか。
高専ではそれが当たり前なので、教官も普通にこの方法で指示します。
誰か個人を表す時にも普通はこのアルファベットを使います。
例えば、学校新聞や寮の名札にもみんな名前の前に「S」や「I」のように学科のアルファベットを表示しています。
通常は「S4」のようにアルファベットと学年を並べて自分の所属を書くことが多いです。このとき、アルファベットと学年、どちらを先に書くかはそれぞれの高専によると思います。
私の高専もキャンパスが二つありますが、私のキャンパスの方は「S4」というようになっていますし、もう一つのキャンパスは「3M」のように学年が先に来る書き方をしています。だからキャンパスを超えて交流するときは混乱してます(笑)
記憶にありませんが、私も入学し立ての最初の頃は、アルファベットに戸惑っていたと思います。どの学科がどの文字かもわかんなくなっちゃいますしね。しかし、今では何の疑問も持たずにテストにSを書いています。
さらに、自己紹介のときもまずクラスの代わりに学科を言うことが多いです。「電子情報工学科4年の〇〇です、お願いします」といった感じですね。
こちらははっきり覚えています。寮の初日に先輩たちが学科から自己紹介をしてきてすごくびっくりしました!
しかも、入学初日なんてまだ専門のこととか何も知らないので、自分の学科に現実味もないんですよね。一応私も商船学科で入学しましたけど、商船学科らしいことは何も知らないので「私、商船学科って名乗っていいのかな」みたいな…。
最初は学科名を言うことに全く慣れませんでした。しかし、今では何の違和感もなく「商船学科航海コース5年の〇〇です」と挨拶しています。
クラスの番号ではなく、学科で挨拶することに、やはり最初聞く人は違和感を覚えるかもしれませんね。
クラス替えがない
高専はご存知の通り、5年制ですが、その間、クラス替えは一切ありません。受験の時には中3で既に自分の学科を選び、その学科で5年間勉強します。
つまり、一度商船学科に入ったら、ほかの電子の学科とかとクラス替えをすることはありません。体育など、学科の特徴が関係ない授業は学科がごちゃまぜで受けることもありますが、通常の授業は全て学科ごとに専門が異なっているので一緒に受けることができないんです。
そこで、同じクラスメイトと5年間一緒に過ごします(留年しなければ笑)
だから、クラスメイトのことはみんなもうお互いにだいたいわかりますし、ずっと変化がありません。5年間毎日同じクラスメイトの顔を見ています。
「今度のクラス替え誰と一緒かな〜」なんていうトキメキとも無縁です。5年間安定して同じクラスです。
あと、私たち5年生くらいになると、もう面倒くさくて席替えもなくなります。
クラスが混ざらないということで、必然的に他学科との交流がなくなります。
5年間同じ学年にいても、知らない人は知りません。学年にたった100人くらいなのに、クラス同士が交わらないばかりに卒業まで知り合うことも話すこともない人がいるんです。
これは、大学なども似た仕組みなのではないでしょうか?大学の場合は入学者数が多いからかもしれませんが、学科や学部が違う人とはなかなか知り合わないと聞きました。
高専で唯一、ほかの学科の人と知り合える機会が部活です。
部活では学科を超えて交流できます。
また、私のように寮に入っている人は、寮も他学科と会える場になりますね。そこからお互いの学科の違いなどを知っていきます。
一つの高専内で学科の特徴が似ていた場合、最初は学科を分けずにみんな混ぜて授業をするということもあるそうです。
しかし、私の高専は、理系の学科、文系の学科、かたや我々なんて船で、授業内容が全然違いますから、一緒に授業をすることなんてほとんどありませんでした。
専攻科がある
高専には、本科と呼ばれる5年間を終えたあと、さらに2年間、自分の学科について学べる専攻科という科があります。大学で例えると、普通の課程は卒業できるけど、そうではなく大学院まで行く、というイメージでしょうか。(大学行ったことないけど笑)
だから高専では最大で22歳まで学生がいます。下は15歳からなので、すごい差ですよね!まあ留年していればこの限りでないですが。
専攻科では、本科に比べ、より専門的な要素が強くなります。5年間勉強した学科をさらに極めるといった感じでしょうか。どちらかというと、座学というより研究がメインで、学会に出たり卒業研究のようなことをしている印象があります。
しかし、実際、専攻科は人数があまり多くありません。
本科では一クラス40人程学生がいますが、専攻科だと多くても10数人です。
私の高専では、専攻科は一クラス5、6人というのが普通です。
隣の学科では専攻科の希望者は多く、クラスの4分の1くらいが専攻科に行くこともありますが、商船学科生にはあまり専攻科は人気がなく、私の代は一人しか専攻科に行く人がいなかったはずです。商船学科では、進学するにしても大学の方が人気があります。
専攻科の少数精鋭の仕組みは、授業などで集中的に教えてほしいという人には合っているかもしれませんね。
本科から専攻科へ進む人も当然試験はあり、何もしなくても希望すれば行ける訳ではありません。一回本科を卒業し、また専攻科へ入学という形になります。
しかし、推薦試験などがあればかなり楽に進学はできるという話を聞いたことがあります。しかも、面接では5年間教えてきてくれた、自分のよく知る教官が担当ですからね。倍率が高いかよほどひどくないと高専から行って落ちるということはないんじゃないでしょうか。
ちなみに、高専の本科からの進学以外でも、外部から入学することもできます。
今まで全く高専に関係ないところで勉強してきたけど、専攻科から入るという人たちですね。
こういう人が普段どれくらい専攻科に入学されているのかは知りませんが、工業系の学校の出身者とかであれば、専攻科で深い勉強をしたいというのもわかりますよね。
ただ、やはり大学の方が知名度は高いので、外部から専攻科に来ることのメリットはあまり思いつきません。
高専出身であれば今までの慣れている学校で勉強したいとかいう理由もあると思うので頷けますが、外部から専攻科に進む分には全く新しい環境になりますからね。とはいえ、大学よりも高専の専攻科は学費が安いので、そこはメリットになるかなと思います(笑)
ロボコン人口は少ない
だから、世間の抱いている、高専イコールロボコンというイメージは、一部です。全員がロボコンをする訳ではありません。まあ、自分の高専のロボットが大会で上位に入ったりするとみんな集められてビデオを観たりすることはありますが。
さらに、私のキャンパスでは、よりロボコンのイメージがないと思います。
私のキャンパスには我々商船学科や、高専には珍しい女子が9割の学科があるので、あまり機械や電気の勉強には詳しくありません。工学系の学科が私のキャンパスには一つしかないんです。
実は私もロボコンって何をしているのか全然知りません。
普通の高専はロボコンをするような工学系の学科しかない、みたいなところも多いと思います。うちの学校のような商船学科があったり男女の割合がほぼ半々という学校の方が高専の中では異常です。
むしろ、高専というのは工学系の学科がメインです。
本気でロボコンをしている人たちはとても熱心だと感じます。うちの学校にも、以前賞を獲ったという大きいロボットが飾られています。(キャンパスの特色上、興味を示す学生はあまりいませんが…)
休みが長い
高専は夏休みがとても長いので、いっぱい遊べます。
だから高専生は、高校に行った同級生が学校始まって忙しくしているのを横目で見ながら、休みを満喫します。詳しくは以下の記事で書いています。
謎の棟がある
高専は工学系の学科で、実験や実習をするための建物が多くあります。
私の高専にも、機関コースの人たちが実習をするための工場や、小型エンジンのある実験棟があります。船を入れて実験できる水槽実験棟というものもあります。部活や同好会の人が練習する専用の個別の建物もあります。
そのほかにも、図書館やパソコンルームのある棟、専攻科生の専攻科棟、学生食堂や厚生施設など、構内に様々な建物が並びます。
あ、私が住んでいる寮も学校の隣に建っています。
これだけ建物があると、同じ学校の中でも入ったことのない建物が出てきます。専攻科棟なんて、私とは縁がなかったので高専で5年間過ごした今でも私は入ったことがありません。
だから、構内であっても「これ何の建物なんだろ?」みたいなものがよくあります。
特に、実験棟なんて実習をする学科の人でなければ入ることはありません。文系の学科の人が、旋盤などのある工場を使うことはないですからね。
この点は大学と似たような感じかもしれませんね。
夫婦別姓
ご夫婦で教官をされているっていいですよね?
しかし、高専の教官には研究者の側面もあるので、キャリアのためにも夫婦で別の姓を名乗っています。だから、最初は私も夫婦だということに気づきませんでした。知ったときはとてもびっくりしました。
しかし、隠しているわけではないので、普通に日常で明らかになります。一緒に登校してきてたり、部屋で本当の苗字を見たりとかですね。