【私の商船学科受験記録】~志望から面接まで~
私が高専の商船学科を受けたのは、中学3年生の冬のことでした。
まだ船のこととか何も知らず、初々しく若かった頃ですね。今回はどんな風に受験していったのか、順を追って紹介したいと思います。
大したことは書いていませんが今後高専や商船学科を受けようと思っている人はよかったら参考にしてみてください。
商船学科を受験するまで
まず、私が高専の商船学科を受験しようと思った理由についてです。
高専に行こうと思ったのは、中学2年の頃です。当時私はどこにでもいるような中学生で、将来船に乗るかもなんて全く考えていませんでした。
親に勧められて高専を知って、普通の高校と違って5年間で面白そうだし寮にも入れるらしいだからぜひ行きたいと思っていました。
でも高専ってコンピュータの学科とかばかりだしそういうパソコンみたいなのには興味が持てなかったんです。何というか、インドアで頭でっかちな勉強をするイメージがあったんですよね(もちろん、実際入ってみたら電子の学科の人たちも自分の学科で頑張っているんだとわかりました)
そこで、いろんな学科を調べてみることにしました。
すると、隣の県の高専に商船学科っていう高専ぽくない学科があることを知りました。これなら机にしがみついてばかりの勉強だけじゃないし、仕事で海外にも行けそうだし、船とか面白そうって思って、深く考えずにここならぜひ行きたいと思いました。当時はまだ全然子どもだったので不安とかは大してなかったですね。
ちなみに当時は普通の県立高校に行くことも考えていました。オープンキャンパスも行きました。高専の試験の方が先で、高専に受かってしまったので受けることはありませんでしたが。
でも結果、3年間毎日、朝に田舎の家から歩いて20分の最寄り駅に行って40分電車に乗り都市部の駅まで行き、そこからまた歩いて30分くらいかかる学校まで行き、それを往復する手間を考えれば今の高専で寮から登校時間2分なんて生活ができてよかったと思いますけどね。
まあ、一つ心残りがあるとすれば、下校時の買い食いができなかったことでしょうか(笑)
出願
高専の入試は県立よりとても早く、2月に行われます。だから併願しやすいんですね。
高専は大抵どこもそうな気がしますが、うちの学校は推薦試験と筆記試験があり、私は推薦で受けることにしました。推薦は筆記よりもさらに一か月程早く1月に試験があり、推薦でだめでも筆記も受けられてダブルチャンスがあったからと、推薦の受験基準を満たしていたからです。
提出する書類についてはあんまりよくわからなかったので親や中学校の先生に聞いて作りました。商船学科で申し込み、航海コースで志願しました。機関コースと航海コースで航海コースを選んだのは、もちろん、航海コースの方が楽しそうでかっこよさそうだったからです(笑)
初心者が陥りやすい錯覚ですね。でも今では航海コースが自分に合ってると思います。
なお、現在では商船学科で入学し、入学後2年生のときに航海コース、機関コースに分かれる仕組みに変わったので今から入学する商船学科生たちにはじっくり考える時間があります。安心してください。
いざ出願状況を見てみると、航海コースは倍率が1,5倍で、「あ、もうだめだこりゃ」ってなりました。まあなんとか受かったんですけど(笑)
機関コースはやはりというか、高専では珍しい定員割れしてました。
でも最近では、1年生の最後にコースを選べるようになったのでみんな機関コースの良さをわかってきて機関も人気が出てきてるみたいです。
ちなみに高専唯一の文系、国際ビジネス学科の倍率は3倍近くでした。
受験前に
推薦試験は面接試験なので中学校の先生に面接の練習をしていただいていました。
ほかにも県内外の推薦入試を受ける同級生たちがいたので一緒に練習してました。彼らは高専ではなかったんですけど。
残念ながらあまり高専ってポピュラーではないんですよね・・・。中学校の先生も生徒にはとりあえず普通の高校行っとけって言うらしいです。こんなにいい学校なのに、知らないっていうことのもったいなさですよね!
まあそれで、面接っていうと必ず志望動機を言わなければならないんですが、たかが中学生で船に乗りたい理由とかはっきり言えるわけもない、と思いませんか?正直私なんて、寮に入りたいのとなんとなく面白そうってくらいしかなく、船に乗るなんて経験もなかったし全く深く考えていませんでした。
だから何でこの学科来ようと思ったかなんて質問は、はっきり言ってわからないんです。中学生なんてそりゃみんなそうですよね?
とは言っても、そんな正直に面接で答える訳にもいかないので、「私は将来航海士になりたいと思っており・・・」なんていう全く思ってもいない理由を捏造して言いました(笑)やばいですよねー。
教官たちも、「たかが中学生がそんな真剣に考えられるもんかね」って疑問に思わなかったんでしょうか。
私の高専の同級生も学校の先生と練習したとき志望動機何も考えてなかったらしく「制服かわいいのとピアス空けていいからです」って言って受かる気あんのかって怒られたらしいです。当然ですよね(笑)
でもその子は受かりました。もちろんちゃんと答えたんでしょうけど。
受験前日
私は高専の隣の県だったので前日から電車で高専のある県に行きました。
駅の近くのホテルに泊まりました。そこは親がとってくれたビジネスホテルだったんですが、なんと、マンガの部屋があったんですよねー!翌日試験だったのであんまり読めませんでしたが、クレヨンしんちゃんを読みました。また泊まりたいですね・・・。
15歳だったので当然一人でホテル泊まるなんて初めてで全く何もわかりませんでした。
ホテルの貸し出し寝間着で外を歩いちゃいけないんだって初めて知って慌てたりしてました。親がホテルに事情を話してくれてたらしく、優しいホテルマンさんでよかったです。
ホテルに荷物を預けてからバスで学校の下見に行きました。
あの頃は冬だったので寒くて雪も積もってたと思います。とりあえずバスで無事に学校に着けました。今は構内に住んでますが当時はオープンキャンパスから数えてまだ2回目の学校です。恐る恐る、って感じでした。
そして帰りのバスを待つ時間に高専の近くのカフェでケーキを食べました。田舎なもんでバスの本数が少ない上に駅から遠いんですよねー。不便でしょうがないです。高専に入ってからも何度か近くのケーキ屋さんには行きましたが残念ながら今はそのお店なくなっちゃいました・・・。
ホテルに帰ってからは一人でホテルの部屋を使って面接の練習をしてました。廊下からノックしながら部屋に入るときは怪しい人だと思われないか不安でしたね(笑)
高専って変な質問もされるってきいてたので中学校でもらった面接対策ノートみたいなのに書いてない、「自分の顔についてどう思いますか」とかってアホな質問も自作し「決してきれいではないかもしれませんが自分は大切にしたいと思っています」って大真面目に答えも考えていたのに結局聞かれませんでした。(当然ですね・・・)
あと、その、面接でこんなことがよく聞かれるってのが書いてある面接対策ノートにはラクガキばっかりしてました(笑)ほんと、不真面目だったんですから・・・。今もですが。
面接
あの日は1月だったので雪が積もっていました。前日に行った通りにバスで学校へ行きました。
案内に従って待合室へ行きました。
そこにはもちろん、私と同い年の中学生がたくさん待っていました。10人くらいいたでしょうか。私の未来のクラスメイトたちです。誰がいたかは覚えてないですけど(笑)
当然雰囲気はピリピリしていて、知らない人同士なのでしゃべっている人は全くいませんでした。中には船関係の本とかガッツリ読んでる人もいて、「あ、もうだめだ(2回目)私の来る場所じゃなかった…」って思いました。
そこから一人ずつ呼ばれて行くのを緊張しながら待っていました。ところが、どんどんみんなが呼ばれて行くのにいくら待っても私は呼ばれませんでした。
言うこととかも考えてるし緊張するから順番来ないでほしいけどいつ来るのかなあと思っていました。
そして残りが私一人になり、待ち始めてから1時間半(!)がたったときにはもう緊張を通り越して待ち疲れ、本当にそろそろ早く呼ばれてほしいと思いました。当然残り一人だったので次は私の順番でした。
案内されて、学校で練習した通りにノックして部屋に入りました。面接室には3人の面接官がいました。みんな年齢はおじさんでした。
私の未来の教官たちです。入学してから「あなたの面接も私がやったんですよ」と言われましたがもちろんさっぱり覚えていませんでした(笑)
質問では、まずもちろん志望動機を聞かれましたが、例の「私は将来航海士になりたいと思っているので〜・・・」という心にもないことを答えました(笑)
それから、ほかには「商船学科にはどんな授業があるか知っていますか」とか聞かれた気がします。どんな授業があるかあんまりよく知らなかったのですが何とか流せました。
ですが、その後の「寮に入ったら自分で洗濯しなければならないですが、洗濯したことはありますか」という質問がもう、鬼門でしたね。
私は、汚れた靴下とかを自分で手洗いしていたので、そのことかなと思って「あります〜♪」って言ったんですが、そうしたら「洗濯機の使い方を教えてください」って言われました。
でも全然洗濯機なんて使ったことはなかったので「え?え?」ってなって、「いえ、手洗いでしてました・・・」ってタジタジになって答えました。そしたら面接官の人が「あ、そうですか・・・」って苦笑して私は「あ、もう終わったなこれ・・・」って思いました。
それで、試験が終わってから本当にうじうじしながら家に帰りました。
高専に行って寮に入ろうと思ってるみなさん、受験前にぜひ家で洗濯機を使ってみましょうね。
受験後
例の洗濯機の件で本当に意気消沈しながら中学校生活を送っていた私ですが、その後担任の先生に呼ばれました。
「もう落ちたってわかってんだからやめてよ!」的な気持ちで行ったのですが、「合格したよ!おめでとう」って言われたときは本当に信じられなくて嬉しかったです。
洗濯機くらいでは不合格にならないってことなんですかね。
そこからの日々はとてもラクチンでした(笑)1月にもう進路が決まってしまったため、3月に公立高校の試験のあるみんなが受験勉強をしているところを横目で見ながら遊んでるだけでいいんですから!勉強も全然しなくなって、とりあえず毎日幸せに過ごしてました。
しかも、合格してから卒業式まで二か月もあったんですよ!?浮かれますよね〜!何してたかあんまり覚えてないんですが、ごろごろしたり家事を手伝ったりしてたと思います。あとは寮生活に必要な物の買い出しとかですかね。
そして卒業式の日。式が終わった後クラスのみんなで最後に集まり、みんなの前で一人一言ずつ思い出などを言っていくんですね。
多くの人が受ける公立高校の受験は卒業式の後日でした。みんな緊張の中卒業式を終え、卒業式の後が本番なんですね。私はそこで、試練が待ち受けているクラスのみんなに向かって余裕で「受験頑張ってくださ〜い✨」と言い、総スカンを食らいました(笑)
いかがでしたか?
個人的には、そんなに大した答えもできず、何の参考にならないかもしれませんが、商船学科の受験を考えてる皆さん、こんな感じでも商船学科に入れます!
あと、高校の面接受験ってもうできないから今となったら5年前のいい思い出です。あの受験があってこそ、今ここで商船学科での船の勉強ができているのですから、嬉しいことです。
今から商船学科を受けようと思っている方、ぜひ頑張ってください!