【日本丸旅行記】写真付き!~シンガポール編~
日本丸での五ヶ月実習について書いた、前の記事の続きです。
国内の港について書いたその記事はこちら↓↓
国内での寄港先は上の記事で書いたので、この記事ではシンガポールで行った場所について書きたいと思います。全然船の内容関係ないんですけどね!(笑)
シンガポールでした経験などについて書いてます。
シンガポールへ
お正月が終わってすぐに神戸から出港し、片道二週間ほどの航海で、1月半ばにシンガポールへ着きました。
停泊した港は普通の客船とかも通る港で、向かいには大きな客船が停泊していました。あの船はきっと世界中を回っていたのでしょう。
シンガポールで観光できたのは4日間です。岸壁はまだ外国扱いだったので、観光で上陸するためにパスポートを見せて検査を受けなければなりませんでした。夜は船に泊まらなければいけないので毎日行きと帰りにパスポート検査を受けるんです。
普通は入国したらそのまま帰るまで検査はないですからこんなに何度も検査場を往復するのも珍しいですよね。検査はパスポートをみせて、顔が本人かどうかの確認と指紋認証と荷物のスキャンで、空港とかと似たような感じでした。
赤道は越えず、北緯でしたが日本よりも南で暑い国なので気温はずっと30度くらいでした。だからずっと半袖で過ごしていましたね。雪はもちろん降らないそうです。
私は外国へ行くのは二度目で、ほとんど経験がありませんでした。でもやっぱり、海外って町並みから何から全然違いますから、楽しいですよねー!
船の実習なのにこんな風に外国へ行けちゃうんですから商船学科すごいですよね!
あ、そうそう、4年生の実習での国内の上陸は私服でよかったのですが、海外での上陸は海技教育機構の白制服に限定されていました。
これは、海外では治安の問題など不安がありますが、制服を着ていれば立場がすぐにわかるし、海洋国では船員の立場が高いのでそう簡単に手を出されないだろうという理由だそうです。日本は島国なのに、船員の立場どころかいることを認識されているかどうかも怪しいですけどね…。
そう考えるとほかの海洋国は、船乗りの意義というものへの意識が高いですよね。
では、シンガポールで訪れた観光地を見ていきます。
マーライオン
初日はマーライオンを見に行きました。
やはりマーライオンの周りは観光客の人がいっぱいいました。口から水吐いてましたね(笑)
よく、マーライオンは思ったほど大きくないという話がありますが、実はあれは本当で、確かに私も、大きさはそんなに圧倒される程でもないと感じました。でも、ライオンと魚の形っていう発想はすごいし、シンガポールのシンボルとしてはわかりやすいと思います。
余談ですが、シンガポールの地下鉄ってすごく発達していて、とても便利でした。
さらに、電車が来るまで線路とホームの間が壁で完全にシャットアウトされるていたので、安全面でもちゃんとしてるなと思いました。
日本の新幹線の、電車が来てからでないとドアが開かないようになっているアレの、完成された版みたいな感じです。新幹線の壁は地面から1メートルちょいくらい(?)で壁っていうか塀みたいだけど、シンガポールはそれがもう完全に天井まである壁だったんです。
ユニバーサルスタジオシンガポール
言葉は違うものの、雰囲気はだいたい日本と一緒で、家族連れが多く、絶叫系のアトラクションが人気、という感じでした。
名物のジェットコースターも二種類あり、360度回転したりしてすごく満足しました。そのほか、メリーゴーランドや電車みたいなアトラクションもあって、一日遊べるスポットでした。
シュレックのショーも見て、言葉は全くわからなかったけど、映像でなんとなくわかりました。
ただ、物価はすごく高かったです。ほんの少しの量のポテトとか軽食でもう8シンガポールドルくらいして、ユニバ価格になっているんだなあと思いました。
基本的にはシンガポール全体で言うと物価は安く、けっこうかわいいお土産とかも安く買えちゃったりしました。
でっかいですねー…!
複数あるって、やっぱりシンガポールのシンボルなんですね。
カトン
ここで行ったのが、こういうところがあるなんて来るまで全然知らなかった、カトンという街です。写真で見て町並みがかわいかったので行くことにしました。
ここでは、いくつかお店に寄りました。シンガポールでは海鮮が有名で、海鮮を凝縮した、おつまみのようなお菓子があって美味しかったです。小さい春巻きの皮みたいなものに海老が入っていて海老の風味がすごかったです。
カトンはビーズでできた靴というのが有名だったので一応見に行きました。すごくかわいかったですが、とても高かったです(笑)
日本円でも一万円くらいはした気がします。
それから、カトンではカトンラクサという食べ物が有名だとガイドブックに載っていたので食べに行きました。カトンラクサというのは、辛めの海鮮系のスープに、短い春雨みたいなものを入れた、ラーメンのようなものでした。
数日前にも別のところで麺を食べたのですが、そのスープにも海老が入っていて、海鮮系のスープが主流なのかなと思いました。
カトンラクサの感想としては、スープは辛くて味もしっかりしててすごくおいしかったのですが、麺がもちもちの麺を想像していたら、とうもろこしから作ったような、春雨みたいな麺だったのでそれがちょっと微妙でした。このスープに日本のラーメンの麺を入れれば日本人に合うんじゃないかなと個人的には思いました。
ただ、一緒に飲んだドリンクはすごく好みでした。私はシンガポールで有名らしい、龍眼というフルーツのドリンクを飲んだのですが、甘くて、黒糖のような味がして、おいしいフルーツだなと思いました(黒糖かどうかは私、味覚に自信はないのであんまり参考にしないでくださいね)
とにかく、龍眼というフルーツは当たりだったなと思いました。小さくて黒いフルーツのジュースです。
アラブストリート
シンガポールでまた有名なのがアラブストリートという地域です。
その名の通り、アラビアンな雰囲気の漂う地区です。
広い範囲まで賑やかな店が立ち並んでいて、人通りも多いです。
シンガポールでは定番の観光スポットです。食べ物や飲み物屋さんの固まっているところもありましたし、ここでは香水の瓶が有名だそうです。私は見ませんでしたが、瓶の売っている店はたくさんあり、お土産として人気なのだそうです。
そのほか、絨毯も売られているのを見たとチョフサー(一等航海士)の教官が言っていました。きれいな絨毯がいっぱいあったけど高かったので買えなかったのだそうです。
確かに、アラブに絨毯とかきれいな織物ってイメージありますもんね。あと、建物もアジアでよくイメージされる、カラフルな寺院のようなものが多かったような気がしました。だから何だかそのあたり一帯が全体として大きなアラブの雰囲気を形成していましたね。
私はあまりアラブっぽいところは見ませんでしたが、お土産を買いました。シンガポールのお土産屋さんって、セットで割引をしているところが多いんです。
5個セットで一ドルとか、1個で買うよりも安い値段で売っているお店が大半です。
日本でも、時々そういう割引はありますがシンガポールではほとんどのお土産屋さんがこういう売り方をしていました。私もたくさんお土産を買いました。
チョコレートやクッキーなどのお菓子は定番です。マーライオンを形どったチョコレートなどがたくさんあったのでそれをとりあえず買いました。あと、友達にはストラップ、家族にはシンガポールの柄のTシャツを買いました。どれも、たくさん買って何ドルと割引になっているものばかりでした。
それから、自分用には、甘いジュースとお茶を買いました。アジアではお茶に砂糖を入れたものが売られていると聞いたのでそれを買ってみました。しかし、ドリンクの甘さといったら尋常ではなく、お茶というよりまるでシロップを飲んでいるようでした。
もう二度と買わないと心に決めました(笑)
あと、赤道に近いシンガポールは、やはり南国のフルーツが有名なのでいくつか買いました。
私が買ったのはマンゴーとココナッツです。マンゴーは一つ7ドル程と思ったより高かったのですが、おいしそうだったので買いました。
これはもう、本当に最高でした!甘くて、採れたて感のあるみずみずしさがたまらなかったですね。
ココナッツはもっと安く、2ドルもしなかったと思います。ジュースにして飲み、中の果肉も食べることができました。フルーツは日本には持ち込み禁止だったので帰りの船内で全て消費しました。
そのほかでは、肉や、ワシントン条約に触れるような動物類(牙など)、植物の種などが国内への持ち込みを禁止されていると船内では口を酸っぱくして言われました。
でも、現地の人にはおいしいらしく、学校に帰ってからシンガポール人の留学生に聞いてみると、おいしいと言っていました。やはり日本人には合わないのではないかということのようです(笑)
入港
日本に入港する前に税関の検査を受けなければならないので、シンガポールで買ったものを全て教室に並べなければなりませんでした。誰がいっぱいお土産を買っているか浮き彫りになりました(笑)
そのように荷物検査をしてもらい、不備がないかや、税金がどれくらいかかるかなどをチェックされました。でもほとんどの人は、税金はかかりませんでした。多分、香水の瓶とかをいっぱい買っていると税金がかかるんだと思います。
ないとは思いますが、麻薬のような非合法な物を持ち込ませないため、知らない人から「日本にいる知り合いにちょっとこれ届けてよ」と言われても絶対に引き受けないようにと釘を刺されました。
もし、少しでも怪しいところがあれば税関は容赦なく船内をくまなく捜索し、私たちの実習の日程とは関係なくいつまでも上陸させてくれない、というようなこともあるそうです。
私たちは特に不備なく、2月の上旬に無事に東京に入港しました。
乗船実習とシンガポール観光
もうすでに、実習ですらなく観光とか言ってますが…(笑)
これは、私にとって数少ない海外の思い出でした。
シンガポールは自分ではあまり行こうと思ったことはなかったので、実習という用事で行けてよかったです。こうして実習で行ってみるとやはり外国だなあと思いました。雰囲気もそうだし、話している言葉も、町も、設備も日本と全然違いました。
面積は小さいのに高層ビルがすごく多くて都市って感じがしました。でも、きれいだし便利だし英語だしシンガポールは住みやすいと思います。治安もちゃんとしてますしね。
写真撮影を頼んだら撮ってもらえます。カメラを渡すとそのまま持ち逃げされる、なんて国もあるそうですからね。
あ、でももちろん、今から行こうとしている方は十分気を付けてくださいね!
船の中で注意されたのが、シンガポールはルールにすごく厳しいということで、食べ歩きや飲み歩き、横断歩道でないところを渡るのは罰金なのだそうです。ガムも食べながら歩いていたらだめだし、電車の中で食べ物を食べることも禁止だそうです。
罰金を取られないようにルールには十分注意するように、船の中で教官たちには念を押されました。やはり日本と海外の違いっていろいろありますね。
これをイジって「Singapore = fine city」などと書かれたTシャツがお土産として大量に売られていました。これは、「fine」という単語の二つの意味を使って「シンガポールはいい町」「シンガポールは罰金の町」の二つの意味をかけているんです。なかなかセンスありますよね(笑)
やはり赤道に近い国で暑くて、ずっと半袖で過ごしていました。
フルーツもおいしくて南国という感じがしました。国として栄えているばかりではなく、これまで書いてきたように観光地も多く、素敵な訪問先がたくさんあります。
今回行けなかったので、次は植物園に行きたいです。あるんですよ、シンガポールに、すごく特徴的な形をした木が有名な植物園が。
今回行ったのはもちろん往復の乗船実習がメインだったのですが、楽しかったシンガポールでの観光について書きました。
商船学科に入るとこんな風に実習のついでに海外へ行くことができて、普通ではなかなかできない体験だったと思います。
しかも、将来船乗りになり日本の貿易や産業の未来を担う私たちのための実習なので、燃料費や食費その他は自腹が全くないんです。唯一パスポート代と、現地で遊ぶお金とかはかかりますが、負担がほとんどなくこんな風に船で実習できること、本当に恵まれていると思います。
上陸できたのはたった4日間でしたが、長かった遠洋航海の疲れをリフレッシュできました。海外へ行くというだけで一つの大きな出来事なので、シンガポールでのことはずっと忘れることはないと思います。まあでも、遠洋航海ということで乗船実習もずっとしてきたので、実習で培った経験をを将来、自分が航海士になったときに活かしたいと思います。
またいつか、メインの実習での船内のこととかも書きたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。